福祉家具とは… / 大川福祉家具研究開発協議会

人に優しい家具 家具の街・大川から…

なぜ、座り心地は良いのに、低すぎるソファーからは立ち上がりにくいんだろう。
なんで、暗いところでは縁取りが見えにくい食器棚やテーブルがあるんだろう。
どうして、ベッドから起き上がるとき、支えになる手すりが付いてないんだろう。
体や目が不自由でなくても、身の回りでちょっとした不便を感じることは誰にもあります。
お年寄りや障害のある方には、居住空間そのものが大きな妨げになっているかもしれません。
人が暮らす家の中で、家具はそこで生活する人にとって最も“身近”にあるものです。
そんなすぐ傍にあるものが人に優しくなかったら、日々の暮らしは不安だらけでしょう。
座る、立ち上がる、そして、歩く…
そんな何気ない人の営みをさりげなく支え、自らの力で生活する体と心を手助けするもの。
それが、福祉家具です。
ずっと家具づくりの先頭を歩んできた大川の街から、“人に優しい家具”が生まれます。

Aブース1.jpg福祉家具とは…

 高齢者や障害者が自立して生活しやすいような自立支援家具のことです。日本の家具は、さまざまな身体的機能が低下した人には使いにくいものが多いため、立ち上がりやすいイスや伝わり歩きしやすいテーブルなど、高齢者や障害者の視点に立った家具を開発することで健常者にも使いやすくしていきます。
 また、自力で生活できる能力を高めることで、高コストの人的介護費用も削減できます。高齢者の医療・介護費用が国全体の大きな負担となることが予想される今日、福祉家具の開発と積極的な活用は、ますます重要性を増してきています。

環境(自立)介護産業の創造と新たなビジネス展開

大川市長 植木 光治

植木 光治 大川市は、家具・建具の製造業者をはじめ、木材・化粧合板・家具金物・ガラス・塗料などの資材業者までが集積しており、すべてを産地内で調達できる環境にあることから、今日までインテリア産業を基幹産業として発展してきました。
 しかしながら、消費者ニーズの多様化や住宅様式の変化、また、輸入家具の増加による価格競争などの要因により、インテリア業界を取り巻く環境は非常に厳しい状況にあります。
 このような中、インテリア産業の新たな展開として、福祉(バリアフリー配慮)家具の研究・開発といった取組みは、これから更に進むであろう高齢化社会に対応した、時機を的確に見据えた取組みであり、大いに期待をしているところです。
 今後、大川市における環境(自立)介護産業の創造という新たな取組みが多くの方々の知れるところとなり、各企業の新たなビジネス展開として確立し、地場産業の振興と地域の活性化に繋がることを期待しております。

家具の産地“福岡県大川市”の新しい機能家具づくりに期待を

国際医療福祉大学 教授 斉場 三十四

斉場 三十四 どうして、下肢機能が低下した人が増える高齢社会にありながら“低過ぎる立てない”、“座ると身体がずっこる”ソファや椅子がなんの疑問も持たず、製作され、店舗に並んでいるのか。私の率直な疑問であった。これでは時代ニーズとずれているとしか言いようがない。
 “歩く・立ち上がる・座る”を大切にすべき時代に応える「寝たきりと戦うコンセプト家具」いわゆる自力生活支援家具の提案による新しいビジネスモデルを創造しようと呼びかけさせて頂いた。
 今回、大川福祉家具研究開発協議会を立ち上げ40社程の協力を得て、自分の生活を楽しみながら、少し下肢機能が低下してきても「自力生活力を落とさず、暮らせる」を目標にした家具を製作、提案して貰うことができた。椅子・テーブル、歩行訓練機能を持つチェスト、自立生活便利ワゴンなど約40品目が集約できました。天板に伝い歩きのガイド部を作り、手すり機能を持たせると同時に、高齢者のロービジョン対策として視認性を高める発光ダイオード(LED)性ダウンライトの組み込みや家具の縁取り部分にラインを入れるなど安心、安全配慮デザインすら登場してきた。『一見すると普通の家具だが、つかまり立ち、伝い歩き、きちんと座れるなど自力生活に必要な機能が隠されている家具が開発されてきた』といえます。今後もこの分野に取り組む大川家具の新しい活動に是非とも期待して頂きたいものです。

環境介護産業創出という新しい視点

大川福祉家具研究開発協議会 会長 貞苅 幸広

貞苅 幸広 日本一の家具・木工の産地大川として、高齢化社会に対応した産業構造の変化が求められています。高齢者や障害者の自立支援、環境介護分野の一部として家具・住環境が整い、日常生活が改善されれば、高齢者や障害者が少しでも長く自らの生活力を確保し、元気に在宅で暮らすことができます。それは、病院や施設への入院入所する期間の短縮につながり、介護・医療費の増加をくい止め、社会的にも貢献することができます。この私達の活動が、大川の各企業に住環境による生活支援の考え方を根付かせ、環境介護産業創出という新しい視点で商品開発が行われるようになり、バリアフリー配慮家具の分野を確立していけることを願っています。今後は認定制度などを設け、認定推奨マークを付与することで新ブランドの創設にもつなげて行きたいと考えています。
 これから国際医療福祉大学や大川の各業界、各機関が連携してバリアフリー配慮家具を全国に発信していくことで、未来の大川が自立支援を機軸に方向性を確立し、住宅産業を巻き込んだ環境(自立)介護産業によって活性化することを目指していきます。